新編: 酒に呑まれた頭


慌ただしい時の現実逃避は吉田健一に限ります。これ事実。

中島敦の短篇に、支那の弓矢の名人がその道に熟達した果てに、弓と矢を見てそれが何であるか見当が付かなくなる所まで行ったというのがある。原稿用紙を見て、昔は自分もこういうものを使ったことがあるような気がするという所まで行けば、太陽の光も一層温かく感じられるに違いない。

とか、

ハシゴ酒というのは、やたらに新しい所ばかり探して歩くのが目的であってはならなくて、むしろ逆に、一定の行程を繰り返す所に丁度、春の次に夏が来て、その後で秋になるのに似た、天体の運行を感じさせて悠久なるものがある。

そこまで安心できる店を四、五軒、或は少くとも二、三軒見付けるのには時間が掛っても、それから先はただ場所を変えるだけで、天体と運行をともにすることになるのである。

とかw、何を言っているかよりもどう言っているかの方が基本楽しくて、しかし実は、何を言っているか、の方もエラいちゃんとしているという極めてレベルの高い戯言を延々聞かせてもらえます。あまりに延々聞かせられるので、却ってどのタイミングでも仕事に戻れる作りになっているのもレベルの高いところですw。

忙中同様、正月休みとかにも最適です。


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