【抄訳】レコード屋についての記事


ひと月前の記事でしたが、英Guardianに良い感じの記事を見つけたので訳してみます。

オックスフォード大の学生街に構えるレコード店Truck、大きくてきれいな窓から光がさす中、お客さんたちは麻張りの椅子にくつろいだりピカピカの試聴機でCDをチェックしたりしている。CD屋の典型としてイメージされるような、埃っぽく古い感じからは程遠い光景だ。

「地域コミュニティ、地域の音楽シーンのハブを作りたいと考えていました。明るくて気さくな感じで」共同経営者であるロビン・ベネットは言う。「オクスフォードは大きな音楽シーンを有していますが、我々がここをオープンさせる前は音楽ファンが集まれる場所がなかったのですよ」

レコード店業界の現状はよく知られるところだ。ZavviやBordersはすでに閉じてしまったし、HMVも40店舗をクローズさせてオンラインショップへ顧客を誘導している状態。そんな中、Truckは”ここ1年で12のインディペンデント店(チェーンではない独立系店舗)が英国でオープンした”という驚くべき事実を裏付ける存在と言える。2009年に269とされていた店舗数は昨年281に達し、業界団体によれば、増減数が増で推移したのは初のことだという。

これらのインディペンデントレコード店の2/3以上が土曜日に催されたインディーズ音楽シーンを盛り上げようというイベント Record Store Day に参加した。

レディ・ガガ12インチピクチャーディスクやオジー・オズボーン”Flying High Again”限定盤7インチなどレア盤が売りに出され、イギリス中のレコード店でWild Beasts、Frightened Rabbit、Chilly Gonzalesなどのインストアライブが行われた。

主催者であるスペンサー・ヒックマンはこのイベントを、困難を乗り越えるべく励むレコード店が草の根的に励ましあったものであると捉える。「今やRecord Store Dayは国じゅうで開催されるものになった。UK全域でインストアライブがあり、都市型グラストンベリーみたいなもんだ」

減退期を経て、いまインディペンデントレコード店は存在感を強め、音楽市場のニッチを確立した、と言う。「新店がオープンしている現状を見ると自分と同じように音楽に入れ込んでる人間からフィジカルを購入したいと考えているラヴァーはまだまだいるんだな、と。大勢のファンが単なるダウンロードではなく、アートピースとしての作品を欲しているんだ」

1998年に地元で兄弟とTruckフェスティバルを自主開催したベネットも、コーヒーをすすりつつ、現代の店舗は何か特別なものを提供しないと厳しいのだと話す。

「人と同じことをやっていては続けてられないことがはっきりしている。もっと、、インストアライブやコーヒーを提供してみたり品揃えに異常にこだわってみたりしないと」「特別な存在になれるスタッフも必要だ。エリートという訳ではなくきさくであることも重要」

客であるアリー・ジョーンズは「なにしろ安すぎる」のでアマゾンでCDを買うことを自らに許している。が、ヴァイナルレコードやコミックを眺めに店舗へ足を運んでいる。「スタッフはHMVの連中より物知りだし、ジャケがやばいLPなんかも買える」

インディーズマーケットではヴァイナルレコードが思いがけず生命線になってもいる。

Record Store Dayで販売された限定盤232タイトルのうち、ヴァイナルが220、CDはわずか10タイトルで2作品はカセットだった。自分も欲しかったというPet Soundsのアナログ復刻版を指しながら、ベネットはTruckの売上40%がヴァイナルから得ていると話す。「尋常じゃないよ。でもヴァイナルはモノとして美しいし、音楽ファンはアートワークやビニールのずっしりした感覚なんかを愛すんだ」

Last Shop Standing著者グラハム・ジョーンズは、インディペンデントレコード店に勢いを与える要素は他にもあるという。

スーパーマーケットのCDの価格が高くなってきている中、インディーズレーベルはインディペンデントレコード店に有利な料率で卸しているという。

前年から更に8%ダウンしているアルバム販売状況ではあるが、アデルなどがチャートを独占しているようにインディーズは健全な状態を保っている。トム・ヨークを擁するベガーズのマーティン・ミルズによると、インターネットによってファンは新しいアーティストを見つけるのが容易になっていて、シングルで売上を作っているメジャーポップシーンと違ってインディーズファンはアルバムに思い入れを持っているという。「インディーズは健全だ。だって、音楽を見つけるのは簡単だし、アルバムを買ったりダウンロードしたりすることはアーティストとファンが繋がることなんだ。アルバムセールスはインディーズよりに傾いている」

インディペンデントレコード店は意外にも80年代の規模に近づき、UK圏内に2200以上が存在している。前出グラハム・ジョーンズら一部のレコード店好きは注意しながらも未来を好感的に捉えている。

「Last Shop Standingを書いた時はインディペンデントレコード店の死亡記事を書いているように思っていたんだが、時期尚早だったかもしれん」


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