東本願寺:原子力発電に依存しない社会の実現を求める決議


東本願寺(真宗大谷派)からのお知らせ

2011年3月11日に発生した東京電力福島第一原子力発電所の事故では、放射能汚染が、原子力発電所の立地地域のみならず、広大な範囲に拡散し、多くの人々が生活の基盤を奪われるという深刻な事態となっている。

昨年末、政府は事故自体の収束宣言を行ったが、未だに原子炉内部の状況は不明であり、放射性物質の漏洩は食い止められず、除染の目処もつかない厳しい状況が続いている。被災された方々に、一日も早く、救援がより広く確実に展開されることを願わずにはいられない。

1979年の米国スリーマイル島原子力発電所事故、1986年のソ連(現:ウクライナ)チェルノブイリ原子力発電所4号炉で起きた原子力事故以降も、地震国日本の狭い国土に次々と原子力発電所が建設されてきた。その数は54基にも達することとなり、私たちは原子力発電に大きく依存する生活を営んで来た。一旦、この度のような大事故が起これば、取り返しのつかない事態となることに思いを致すことのなかった迂闊さを深く反省するものである。

日本の原子力発電は技術・設備・管理ともに十分に安全であり、原子力発電がなければ電力供給に不足を来すという、いわゆる安全神話と必要神話を安易に信じ込み、エネルギーと物の大量消費を限りなく続けていくことが「豊かさ」であると私たちは思い込んで来たのである。

原子力発電所事故にたいする報道には時には正確さを欠き、公平さに難点のあるものも見受けられる。このような一方的感情的とも思われる批判は、風評被害を招き易く、当該地域の人々や原子力発電所で働く多くの人たちを傷つける恐れがある。今回の事故の対応としては、放射能測定による安全性の確認と、正確な情報提供を期待するとともに風評被害の防止に努めなければならない。 この度の事故によって、原子力発電には、現在のみならず未来のいのちをも脅かす放射線被曝被害というものが起りうることを証明することとなったのである。原子力発電に依存しない、安全安心で、持続的発展可能な社会を実現することが重要である。

すべてのいのちを摂めとって捨てない仏の本願を仰いで生きんとする私たちは、仏智によって照らし出される無明の闇と事故の厳しい現実から目を逸らしてはならない。エネルギーと物の大量消費を指向する社会の在り方を見直すと同時に、原子力発電を傍観者的に受け容れてきた私たちの社会を問い返し、原子力発電に依存しない社会の実現に向け、能う限りの取り組みを進めることをここに表明する。 

右、真宗大谷派参議会議員一同の名において、決議する。

以上

2012年2月28日真宗大谷派参議会議員一同


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